障害者就労に向け、親が今からできる就職準備

障害者就労に向け、親が今からできる就職準備

障害者就労に向け、親が今からできる就職準備

当サイトでいうビジネス系の支援学校とは軽度(または中度)の知的障害のお子さんが通う支援学校を差しますが、こちらでは就職に向けてあらゆることを学びます。
フードサービスなどではパンを作り、物流では箱の積み方なども学びます。その他、清掃の仕方、PC操作(ワード、エクセル、パワーポイント)など。
また、それ以上に社会人として基本的なことも徹底的に学びます。
話しを聞く際の手の位置、メモを取るタイミングなどもそうです。

 

正直、仕事については、就職後にたくさん学べます。最初からうまく出来る子もいれば、時間を掛けて教えて覚える子もいますよね。
ですので、その仕事が出来そうかどうかというのは、企業実習などで体験しないと分かりませんし、そこで本人がどう感じるかかな。

 

企業の方のお話しを伺うと、よく採用の際は元気が良い子だったり、挨拶がしっかり出来る子・・・なんて言葉を聞いた人も多いと思います。
そう、手先が器用とか、ホントに知能指数的には軽いとかではなく、結構、基本的なことが出来るかどうかをチェックしてたりするんですよね。

 

そこで、こちらのページではハローワークの方が講演会で教えてくれた、就職に向けて、保護者が今からできる準備についてお知らせしたいと思います。

 

 

 

体力づくり

元気で働くための基本は何と言っても体力ですよね。
就職すると通常では8時間労働です。また、残業すればそれ以上の時間働くことになります。
それに耐えるだけの体力がないと、だんだん休みがちになってしまい、最悪、退職することにもなりかねません。

 

この体力づくりの一環として、中学校の支援級などでは朝マラソンをしているところも多いと思います。
これは早くから取り組めば取り組むだけ、体力アップに繋がりますから、是非ともトライさせたいですね。

 

規則正しい生活習慣

お子さんが朝起きてから着替え、朝食をとる。そして出勤(登校)するまでに、どれくらいの時間が必要でしょう?
朝食を取らずに出勤(登校)するとどうなりますか?
お腹が空いて集中力が落ちたり、落ち着きが無くなることもあるかもしれません。
そのためにもキチンと朝食を取ります。朝食を取るためにはギリギリまで寝ててはダメですよね。そう、早起きが必要です。
朝、キチンと起きるためには夜更かしをしない、させないことが必要です。
親がまだ起きてるから眠れないというお子さんなら、一度、全ての電気を消し、一緒に布団に入るのも良いかも。
そうやって、早くから家族全員が協力し合って、規則正しいリズムのある生活を心掛けることも必要です。

 

 

上の二つは重要なことですよね。全ての基本になるかなって思います。

 

 

■食事のマナーを身につけさせる■

 

ご存知のように、会社では決められた時間内に食事をし、トイレを済ます事が必要になります。
食事時間が掛かり過ぎたり、好き嫌いがあって食事が出来なかったりすると、午後の仕事にも影響しますよね。
日頃から、家での食事時に気をつけて下さい。

 

 

■身の周りの処理をきちんとできるようにさせる■

 

身体の清潔(爪や鼻等)を保ち、服装がさっぱりしていますか?
季節に応じたさっぱりとした衣類に整え、身体を清潔に保つ事を常に心掛ける必要があります。
身ぎれいにして、会社に送りだすためには、家族の気配りが必要です。

 

以前、息子の学校で子供に対する調査用紙が保護者に配られ、その中に「服を選んで着れるか?」というのがありました。
先生曰く、ほとんどの親は、それについて「○」をつけたが、服を選んで着るとは、季節に応じたり、場面場面(TPO)に応じた服を選んで着れることだと。
早めから色々なことを教える必要があるなと、その時思いましたね。

 

■「あいさつ」「返事」をきちんとしましょう■

 

「おはようございます」「さようなら」「ありがとうございます」「すみません」
日常生活の中で誰もがする挨拶ですが、自分から出来ない若者が障害の有無に関係なく多いですよね。
職場の上司や同僚との間でコミュニケーションが出来るかどうかが、職場に定着できるかどうかの重要なカギになるということを忘れないで下さい。
「挨拶しなさい」と言われても、そう簡単にはなかなか出来ないものです。普段から自然に、積極的に、言葉を掛け合うことによって、本人も自然に出来るようになります。

 

私、個人的にはこの「挨拶」は一番大切に考えており、子どもが小さいうちから、子どもの目の前で色んな人に挨拶をして「見せて」ます。
挨拶するのが当たり前ってくらいに見せてきましたので、子どもたちも自然と人に会うと挨拶出来るようになりました。

 

会社や学校など団体行動の場では、上記の三つは大切なことですよね。
これらは小さいうちから習慣化させる方が、後々困らなくなります。

 

次の項目からは、更に就労するためにも大切なことです。

 

働くことの意味を理解する

 

働くことについての認識が出来ていない場合があります。
「家にいても仕方ない」という理由で働く者、「先生や親が働けと言うから・・・」働く者、「クラスの○○君も働くから俺も・・・」
このような場合、簡単に退職してしまうこともあります。
会社に就職したら、与えられた職場の中で自分なりに精一杯頑張って働いて給料をもらう。
毎月の給料を自分のために、家族のために、そして社会の一員として使う喜びを知って欲しいと思っています。
そのためには、やはり日常の生活の中でたんだ用事をやりっぱなしにさせず、最後までやり遂げる習慣を付けさせることも必要です。

 

息子の担任は子供達に言いました。「給料が入ったら、何が欲しいか?」と。
自分の趣味のものでも何でもいいのです。欲しいモノを買う夢などがあればあるほど、その実現のために一生懸命働けるからと。
夢や目的がないと、仕事する意力が少なくなりますもんね。

 

 

交通機関の利用方法を教える

 

いつもの電車が遅れたために、会社へ行けなくなってしまうケースがあります。
交通機関の利用方法や迷った時の対処方法、例えば、駅員や交番の利用方法、バスの利用方法等を教えてあげて下さい。
最近は携帯電話の利用者も増えています。会社に遅れそうな時には、まず連絡をして今の状況を説明することが必要です。
また、交通機関を利用する場合のマナーやエチケット等も身に付けさせて下さい。

 

我が家の課題がこれだったりします。
元々電車に興味のある子でたくさん電車に乗ってきた子なら、乗り換えなどには強いですが、そうでない場合はどうしても電車で一人で乗る「慣れ」が必要ですね。

 

最後に・・・

 

家族の援助について

 

多くの子供たちは小心でとても真面目です。主観的には、いつも精一杯働いて意図的に「手を抜く」ことは出来ません。
職場では「ゆとり」や「あそび」がほとんどありません。終始緊張しており、心身共に疲れている状態が継続しています。
そのため、常に家庭は息抜きの出来る場所であり、憩える場所である必要があります。

 

子供の出す危険信号を早いうちにキャッチする事も必要です。特に自分の気持ちや感情を上手く伝えられない子にとって、小さな信号を見逃してしまうと後で取り返しのつかない痛手を受ける事にもなりかねません。
次の就職をどうするどころか折角芽生えた労働意欲や社会への適応力まで無くしてしまうことにもなりかねません。

 

では、危険信号をキャッチするとは何か?
普段の会話などから把握するのですよね。

 

これらは就労した子供に対してのアドバイスですが、職場を学校と置き換えて読むことも出来ますよね。

 

色々な考えがありますが、こちらのページで書いてあることの中から、お子さんに合った方法にアレンジしてより良い方向に導いてあげることが出来たら嬉しく思います。